カパンジー機能解剖学Ⅱ【第2章】:膝関節 中編

P88-89:屈曲ー伸展時における脛骨関節窩に対する大腿骨顆部の運動

  • 大腿骨顆部の丸い形状は顆部が脛骨関節面上を転がる事を連想させるが間違いである。
    • もし転がるなら屈曲時に一定角度に来たら大腿骨が脛骨上から後方落下(脱臼)を起こす。
  • 大腿骨が純粋に脛骨上を「転がる」という可能性は否定される。何故なら大腿骨顆の展開距離は脛骨関節窩の2倍の長さがあるからである。
  • 大腿骨顆が「純粋に滑る」と仮定した場合、屈曲時に脛骨関節窩の後縁に大腿骨が衝突する事で運動は早期に制限を受けてしまう事がわかっている。
  • では何が大腿骨と脛骨の間で起こっているのか?
  • 「答え」:大腿骨顆は脛骨関節窩に対して「転がり」+「滑り」が共存している。
  • これによって160°の最大屈曲を得ながら大腿骨顆の後方脱臼が回避される。
  • 滑りと転がりの割合は変化する
    • 最大伸展→屈曲からの流れ
      • 1.転がるのみ
      • 2.転がり(強)+滑り(弱)が開始
      • 3.滑り(強)+転がり(弱)に移行する
  • 屈曲の始まりにおける純粋な転がりの長さについて
    • 内側顆:屈曲の最初10~15°までしか起こらない
    • 外側顆:屈曲の20°まで続く
  • つまり、外側顆の転がりの方が大きい
    • 脛骨関節窩上を走行する外側顆の行程が内側顆の行程より長く、自動回旋に繋がる。
  • 正常歩行の屈曲ー伸展運動の可動域は15~10°となっている。

P90-91:長軸回旋時における脛骨関節窩に対する大腿骨顆部の運動

  • 膝が中等度屈曲している時、顆部の後方部分が脛骨関節窩の中央部分に接触し始める
  • 膝の屈曲が、脛骨顆間隆起塊を伸展時に嵌入される大腿骨顆間切痕の奥(これが伸展時に長軸回旋をブロックしている唯一の原因)から解放している
  • 大腿骨に対して脛骨が外旋する時(図:2-71)
    • 大腿骨外側顆は脛骨外側関節窩を前進する一方、大腿骨内側顆は脛骨内側関節窩内を後退する
    • →大腿骨は相対的な動きであり、記述の形は「脛骨が大腿骨に対して」の方が適切な気がする。
  • 大腿骨に対して脛骨が内旋する時(図:2-73)
    • 大腿骨外側顆は関節窩内を後退する一方、内側顆は関節窩内を前進する
  • 但し、内側顆・外側顆で起こる前後運動は同じではない。
  • 大腿骨内側顆は2方向(前後・内外方)に凹である脛骨内側関節窩において少なく移動する
  • 大腿骨外側顆は2方向(前後・内外方)に凸である脛骨外側関節窩を内側顆の約2倍移動する。
    • 前方から後方への移動時、大腿骨外側顆はまず前方の斜面を「頂上」まで登り、次いで後方斜面を下る。その落差「e」が変化する。

その他備考

  • 内側顆間隆起は外側顆間隆起より明らかに高く、内側顆間隆起は内側大腿骨顆をブロックする車止めの様な形状をしている。
  • 一方で外側大腿骨顆粒は外側顆間隆起を回避しているのがわかる。
  • その結果として膝関節の長軸回旋の「真の軸yy’」は両側脛骨顆間隆起間ではなく、内側顆間隆起の関節斜面のレベルを通過している。
  • つまり、内側への偏心性は大腿骨外側顆のより大きな走行に現れる
    • つまり膝はぶん回し運動?

P92-93:膝の関節包

  • サラッと流すで良い

P94-95:膝蓋下脂肪体、滑膜ひだ、関節関腔の容積

  • 後回しで良い
  • 膝に水が溜まるメカニズム
  • 膝蓋上ひだ(6)は膝蓋骨の上でほぼ完全な横の隔壁を形成し、関節腔から大腿四頭筋下嚢を分離している。
  • 係留関節水症(膝に水が溜まる)の臨床像を呈しうる

関節腔の容積

  • 正常と病的状態で大きな変化を受ける
  • 病的浸出液については※関節腔内の液体違い
    • 滑液によって関節水症を起こす
    • 血液によって関節血症
  • 液体は大腿四頭筋下嚢と膝蓋側嚢、大腿骨顆後嚢の中へ蓄積される

膝の肢位による変化

  • 【伸展位】では大腿骨顆後嚢は腓腹筋の緊張によって圧縮され、液体は前方へと追い出され、大腿四頭筋下嚢と膝蓋側嚢に溜まる。
  • 【屈曲位】では前方の盲嚢(膝蓋上嚢)が大腿骨四頭筋の緊張によって圧縮、液体は後方へ追い出される。
  • 【最大容積肢位】最大屈曲と伸展位の間に、いわゆる「最大容積の」肢位が存在している。この半屈曲肢位では関節内圧が最も低く、関節水腫のある患者に自然に受け入れられる。というのは、この肢位は最も痛みが少ないからである。
  • 正常では滑液の量は極めて少ない(数ml)。しかしながら、屈曲ー伸展運動は滑液による関節表面の永久的清掃を確保し、これが軟骨の良好な栄養、そしてとりわけ接触域の潤滑に貢献している。

P96-97:関節内の半月

  • 関節面の不適合は半月の介在によって補われている
  • 平面に置かれた球体の隙間を埋めるもの(図2-90)
  • 内外側半月は上下2つの関節面の間で独立して働いているのではない。機能面では密接に結びついている。
  • 半月の付着部
    • 半月は関節包に直接付着している。
    • 半月は顆間隆起前面と後面にそれぞれ付着している
    • 前角同士は半月結合靭帯によって繋がっている
    • 膝蓋下脂肪体の索状組織によって膝蓋骨にも繋がっている
    • 膝蓋骨とも半月は繋がっている
    • 内側側腹靭帯は内側半月の内縁に付着している
    • 外側側腹靭帯は膝窩筋腱の存在によって半月から分離されている
    • 半膜様筋腱は内側半月の後縁に付着している
    • 前十字靭帯は内側半月の前角に付着
    • 後十字靭帯とは別の繊維が半月後角に付着

P98-99:屈曲ー伸展時の半月の移動

  • 大腿骨顆と脛骨関節窩の接点は屈曲時には脛骨関節窩上を後退し、伸展時には前進をする。
  • 半月はその運動に連動して移動する。

半月の移動について

  • 半月は膝関節の運動に連動する
  • 伸展位(図2-96)では関節窩の後方部分、とりわけ外側関節窩がむき出しになる。
  • 屈曲位(図2-97)では半月(Me/Mi)が関節窩の後方部分を被覆する。
    • とりわけ外側半月は外側関節窩の後方斜面を下降する

水平断面から見た場合

  • 図2-98/図2-99
  • 伸展位では前方にあった半月(図2-98)が屈曲位では後退するのが見られる(図2-99)が、これは左右均等での動きではなく、外側半月(Me)は内側半月(Mi)の2倍後退している
    • 実際、内側半月の移動距離は6㎜であるのに対して外側半月の移動距離は12㎜である。
  • 半月は移動に伴い「変形する」ものである。それは角の付着部2点だけが固定されており、他の全ての部分は可動性を持っている為である。
  • 外側半月が内側半月より変形し、移動するのはその角の付着部がより近接しているからである。
  • 半月は大腿骨と脛骨間の圧迫応力を伝達する弾性パッキンとしての役割を持つ。
  • 伸展位では大腿骨が関節窩に対して大きな曲率半径を呈し、半月は(大腿骨と脛骨の間で)関節面間に緊密に(押し付けられる形で)介在している。これは膝の完全伸展時における圧迫応力の伝達に好ましい。
  • 一方の屈曲位では大腿骨は関節窩に対してより小さな曲率半径を呈し、半月は部分的に大腿骨顆との接触を失う。
  • 屈曲時、半月は大腿骨との接触を部分的に失う(曲率半径はより小さくなる)
    • 上記の要素は側副靭帯の弛緩とともに、安定性を犠牲にした可動性の獲得に有利となる

半月の移動運動の他動要因

  • 大腿骨顆は半月をその前方へ押しのける
  • 2つの指でサクランボの種を押し出す方法に近い

半月の移動運動の能動要因

  • 伸展時の能動因子
    • 半月は半月ー膝蓋支帯によって前方へ引っ張られている
    • 同時に半月結合靭帯も引っ張っている
    • 外側半月の後角は後十字靭帯の緊張と共に半月―大腿靭帯の緊張によって前方へ引き戻されている。
  • 屈曲時の能動因子
    • 内側半月はその後縁に付着している半膜様筋腱膜によって後方へ引っ張られている。
    • 一方の前角はこれに付着している前十字靭帯の繊維によって引き戻される。
    • 外側半月は膝窩筋の腱膜によって後方へ引っ張られる。

半月の切除リスク

  • 大腿骨と脛骨間の圧迫応力を伝達するパッキンとしての役割は重要で、半月全切除者の「関節症発症時期」の早期化が明らかである
    • 過去には「損傷半月」は全切除が基本だった時代がある。
  • そもそも論では「半月板損傷」のみの診断が不十分である。
  • 半月病変と軟骨病変を同時に生じさせているのは靭帯病変である事が多いからである。

P100-101:長軸回旋時の半月の移動、半月病変

  • 長軸回旋の運動時、半月は脛骨関節窩に対する大腿骨顆の移動に忠実に追随する
  • 回旋中間位(図2-106:右脛骨)では外側半月(Me)と内側半月(Mi)はそれぞれ対応する関節窩上の中央にある。
  • 【脛骨の外旋時】
    • 図2-107:赤は脛骨の外旋を意味する。
    • 外側半月(Me)は外側関節窩の前方へ引っ張られ、内側半月(Mi)は後方へ引っ張られる
  • 【脛骨の内旋時】
    • 図2-108:青は脛骨の内旋を意味する
    • 内側半月(Mi)は前進するのに対し、外側半月(Me)は後退する
  • ここでもは熱は固定点である「角」の付着部の周りで変形しながら移動する。当然、外側半月の移動距離は内側半月の2倍である。
  • 繰り返しになるが、半月の移動は「大腿骨」に引っ張られる他動的な要素となる

半月損傷について

  • 【伸展挟み込みタイプ】
  • 膝の運動中、半月が関節窩に対する大腿骨顆の転位に追随しない時、半月は損傷されうる。
  • 異常な位置で「不意を突かれる」あるいは「板挟みになる」半月は損傷しやすい。
  • その例が「ボールを足で蹴る:膝の急激な伸展運動」である。これは半月の半分が前方へと戻る時間を与えられず、大腿骨と脛骨に挟み込まれる事で起こる。強く進展をする程に挟み込みの強度は上がり、疼痛も起こる。
  • 【捻転タイプ】
  • 外反と外旋運動を伴うタイプである。
  • 内側半月は大腿骨内側顆の突出の下、関節の中央へ引き戻され、立て直そうとする際に内側半月はこの位置で「不意を突かれ」大腿骨顆と関節窩の間に挟まれる。
  • サッカー選手や坑内鉱夫に多いく、突発的動作+継続動作からも起こりやすいという事。
  • 【派生型】
  • 十字靭帯断裂に続発するケースもある
    • 前十字靭帯断裂後に、それ以上後方へ制動されない大腿骨内側顆は内側半月の後角を押しつぶし、引き裂いて後方関節包の断裂や水平断裂をきたす。
  • 半月の1つが断裂をした瞬間から、断裂した部分はもはや正常な動きはせず、大腿骨顆と関節窩の間に挟まって動かない様になる。
  • その結果、膝は屈曲位でブロックされる。この屈曲は半月の損傷部位が後方であればあるほどに強調される。
  • 完全伸展は他動であっても不能となる。
  • 部位によっては血行が十分でないため、損傷された半月は修復しないことを知っておくことが重要である

P102-103:大腿骨に対する膝蓋骨の移動

  • 膝の伸展装置は滑車状の構造をしている
    • その結果、本来は上方外方から下方内方へ向かう大腿四頭筋の力が厳密に垂直の力へと変換される
    • 屈曲時の大腿骨に対する膝蓋骨の正常運動とは顆間切痕までの垂直移動のみである
  • 膝蓋骨は横軸の周りを回転しながら長さの2倍移動する。※8㎝
    • 膝の伸展位:膝蓋骨後面はまっすぐ後方へ向く
    • 膝の最大屈曲位:大腿骨の下に位置し、まっすぐ上を向く。
  • 膝蓋骨の大きな転位(動き)は膝蓋骨が十分な長さの結合で大腿骨と繋がっている必要がある。
    • 膝蓋骨の周りには3つの深い盲嚢が存在している。
      • 大腿四頭筋嚢
      • 膝蓋側嚢×2
    • 実際に膝蓋骨が移動する時は必ずこの3つの盲嚢が伸びる。
    • つまり、膝蓋骨の移動を実現するのは3つの盲嚢の伸びなのである。

【結論】膝関節の正常可動について

  • 大腿四頭筋の力の変換には膝蓋骨が必要であり、その膝蓋骨が正常に移動する為には3つの盲嚢が正常に伸びる必要がある。
  • 炎症によって盲嚢が癒着を起こした時、盲嚢はその深さと柔軟性を失い、膝蓋骨は可動の自由度を奪われ大腿骨に密着する。
    • 膝蓋骨が溝の中を滑走できず、膝関節の運動制限を生む。
    • 感染症・外傷後の膝伸展位拘縮の1因である。

膝蓋骨色々

  • 通常、膝蓋骨は上下にしか動かず、左右には移動しない。
    • それは、膝蓋骨は大腿四頭筋によって切痕へ極めて強く押し付けられているからである。
    • ちなみに、この大腿四頭筋の押し付けは膝の屈曲が増加する程に強くなる
    • この押し付け力は膝の伸展の終わりから弱まり、過伸展では逆転現象が起こる。つまり、膝蓋骨が滑車から解放され、外方へと追い出される形となるのだ。
    • この外開きの理由は大腿四頭筋の角度にある。本来は外方から内方に向けて下降している為だ。
      • ※滑車は外方脱臼を防ぐ為、内側より外側の方が深くできている。
  • 膝を伸展ー過伸展した際の脱臼が当たり前になっている(反復性脱臼)は、この滑車外側面の形成不全が原因である。

脛骨外捻

  • 大腿骨に対する脛骨のが外捻は、外反膝と同様、大腿四頭筋腱と膝蓋腱の成す角度を減少させ、外方へ向かう成分を増加して膝蓋骨の外側不安定性を増強する。
  • これが外側の膝蓋大腿関節症における外側脱臼や亜脱臼の原因となる。

P104-105:大腿骨と膝蓋骨の関係

  • 膝蓋骨の後面、特に中央稜は極めて厚い軟骨(4-5mm)に覆われており、更にはその軟骨の厚さは人体で最も分厚い。
    • この4-5㎜の厚みが「階段の下降時」「しゃがんだ位置からの立ち上がり」など、膝屈曲位からの大腿四頭筋が収縮する際の押し付け圧「300㎏」への対応を可能としている。
  • 120㎏以上を持ち上げる重量挙げ選手はどれ程の圧が掛かるのか。
  • 膝屈曲と膝蓋骨の軟骨の関係
    • 完全伸展位:膝蓋骨下方部分が接触
    • 屈曲30°:膝蓋骨中央部が接触
    • 完全屈曲位:膝蓋骨の上方部分+上外側関節面での接触となる

P106-107:脛骨に対する膝蓋骨の移動

  • 肘における肘頭の様に、膝蓋骨は脛骨に密着していると考えられる
  • この配置は脛骨に対する膝蓋骨の全ての運動を妨げ、全ての長軸回旋運動さえも妨げ、その運動性は著名に制限される。
  • だが実際は膝蓋骨は脛骨に対して「屈曲ー伸展」と長軸回旋の2種類の運動を行う。

屈曲ー伸展時

  • 膝蓋骨は矢状面内を移動する(図2-134)

長軸回旋時

  • 脛骨に対する膝蓋骨の転位は前額面内で行われる(図2-135~137)
  • 【回旋中間位(図:135)】では膝蓋腱の方向はやや下外方へ斜めである。
  • 【内旋位(図:136)】大腿骨は脛骨に対して外旋し、膝蓋骨を外方へ引っ張るため、膝蓋腱の方向は下内方へ斜めとなる。
  • 【外旋位(図:137)】内旋の反対が起こる。大腿骨は膝蓋骨を内方へ引っ張り、その結果、膝蓋腱の方向は下外方へ斜めとなるが、中間位のときよりも外方へより傾斜する。

P108-109:膝の側副靭帯

  • 膝関節の安定性は強力な靭帯、十字靭帯と側副靭帯に依存している

側副靭帯

  • 膝関節の内側と外側の関節包を補強している
  • これらは膝伸展位の側方安定性を確保している

内側側副靭帯【図:138】

  • 内側側副靭帯は大腿骨頭内側顆の内側面から脛骨上端に広がっている
    • 近位付着部は大腿骨・内側面の後上方部分
    • 遠位付着部は脛骨の内側面上で鵞足付着部位の後方に位置する
    • 下前方へと斜走しており、矢状面では外側側副靭帯と交差している

外側側腹靭帯【図:139】

  • 外側側副靭帯は大腿骨外側顆の外側面から腓骨頭へと張っている
    • 近位付着面は大腿骨外側顆部の中心線(yy’)の後上方に位置している
    • 遠位付着部は腓骨頭の前外側面上で大腿二頭筋付着部の下方となる。
    • 外側側副靭帯(LLE)は全ての行程で関節包からは区別される
    • 外側側副靭帯(LLE)は下方後方に斜走しており、矢状面では内側側副靭帯と交差している。※実際には内側と外側なので交差していない。

側副靭帯の諸々

  • 側副靭帯は伸展時に緊張して【図:140.142】、屈曲時に弛緩する。【図:141.143】
  • 側副靭帯が弛緩する屈曲30°は側副靭帯縫合後の固定肢位である。

P110-111:膝の側方安定性

  • 膝は側方から大きな応力を受けており、実際、遠位部の骨梁は近位部に比べて密である。【図145】

その他

  • 生理的な膝の外反(図146)は大腿骨軸の下内方への傾斜によって特徴付けられる。
  • そして、大腿骨から脛骨近位端へかかる力Fは厳密には垂直ではない。
    • これは垂直の力と水平内側に向かう横の力に分解される。
    • そして関節を内側へ向かって圧し返す成分tは内側関節裂隙の角aを開大させ、外反を増強させる傾向にある。
    • この様な脱臼に対抗する、対脱臼のメカニズムが内側側副靭帯のシステムである

その他2

  • 自動車の衝突事故の際
    • 外傷が膝の内面へ加わった場合
      •  生理的外反は矯正される方向へ
      • 脛骨内側部の分裂骨折が起こる※外力の吸収
      • 外力が依然として残る場合、外側側腹靭帯の断裂が生じる※第二の外力吸収
    • 外傷が膝の外側面へ加わった時
      • 大腿骨外側顆は軽度内側へ移動する
      • 続いて外側関節窩へ陥入し、脛骨の外側骨皮質を骨折させる

P112-113:膝の側方安定性(続き)

  • 膝は常に側方からの応力を受けている
    • 不安定な関節である
  • 支持側の膝の内側が不均衡になった場合
    • 生理的外反が増強する
    • 内側関節裂隙が開大する傾向になる
    • 応力が極めて大きい場合は内側側副靭帯(LLI)は断裂する
    • これが重度の捻挫である
  • 重篤な捻挫とは単なる不均衡肢位から起こるのではなく、激しい衝撃が必要となる。
  • 支持側の膝の外側が不均衡になった場合
    • 生理的外反を立て直す傾向になる
    • 激しい外力が膝の内側面に加わると外側側振靭帯(LLE)は断裂する
  • 膝の重度の捻挫の場合、前後軸の周りで明らかな側方の動揺性を確認できる。
    • 検査は膝完全伸展位と軽度屈曲位で行う。
  • 膝完全伸展位は過伸展位といえる。
  • 膝10°屈曲位での検査はLLE.LLIの単独損傷と解釈できる。
    • 屈曲初期段階で大腿骨顆殻は弛緩しているからである。
    • 外反ストレスで内側関節列隙を開大させる
    • 内反ストレスで外側関節列隙を開大させる
  • 有痛性の膝で有効な検査に適した完全な筋弛緩を得るのは困難である
    • 全身麻酔で再検査すべき→無茶言うな
  • 膝の重度の捻挫は関節窩の安定性を障害する。
    • 実際、1つの側副靭帯の断裂は持続的に作用する側方応力に抵抗しえない。
    • 歩く・走るだけでもかなりの側方応力が生じており1つの側副靭帯だけでは耐えられない。
  • 膝の安定性を確保するのは側副靭帯だけではない。
    • 実際は側副靭帯には筋肉によるサポートを受けて「真の能動的靭帯」を形成している
  • LLE
    • 大腿筋膜張筋によって緊張する靭帯によって強力に補助される
      • 腸脛靭帯である
  • LLI
    • 鵞足筋による補助
      • 縫工筋
      • 半腱膜様筋
      • 薄筋
  • つまり側副靭帯は「腱」による裏打ちによって安定感を増している。
  • 更に強力ではないが大腿四頭筋による更なる「裏打ち」がなされる。
    • 強力では無いが4頭筋ならではの交差する腱膜は左右互いの関節列隙の開大を阻止する。

P114-115:膝の前後の安定性

  • 膝の安定性は過伸展・軽度屈曲で全く異なる
    • 要は肢位によって変化するという事
  • ごく軽度屈曲の膝
    • 荷重線は膝の屈強―伸展の軸の後方を通る
    • つまり、大腿四頭筋の静的収縮が介入しない限りは屈曲は増加傾向になる
    • 従って、この軽度屈曲肢位では大腿四頭筋は立位保持に不可欠である
  • 過伸展の膝
    • 過伸展を増強しようとする傾向は後方の関節包ー靭帯要素によって即座にブロックする
    • 立位は大腿四頭筋の介入が無くても維持される=施錠効果
    • 大腿四頭筋麻痺の患者は立位保持・歩行の際に膝の反張を増強している
      • 施錠効果によって伸展を維持している
  • 膝が過伸展の時
    • 大腿の軸は後方下方に斜めである。
    • 生じた力は2つに分解される
      • 1.下腿へ体重を伝える垂直軸
      • 2.過伸展を増幅する水平方向への力
    • 過大な膝の反張は靭帯の弛緩によって終息し、膝の反張角度の悪化を招く
    • 肘の肘頭の様に強固な制動ではないものの、膝の過伸展の制限メカニズムは極めて有効である。
    • 図2-160ですら耐えれるなら肘は何処まで耐えれるのか?そして相方はどっちだ?
      • 図2-160の過伸展ブロックは関節包ー靭帯要素と副次的に筋要素に依存している。
      • ※関節包ー靭帯要素には側副靭帯と後十字靭帯が含まれている
  • 関節包の後方部分は強力な繊維成分によって補強されている。
    • 左右両大腿骨顆に対応しており関節包の肥厚が顆殻1を形成しており、その後面には腓腹筋の繊維が付着している。
  • 外側では腓骨頭から繊維性の膝窩弓状靭帯が広がっている。※2つの繊維束が確認できる
  • 内側では関節包繊維層は半膜様筋腱の外側縁から起こった反回繊維束によって構成される膝窩斜走靭帯によって補強される。
    • 腱から靭帯がそのまま伸びているという事か。
  • 全ての後方繊維層は過伸展時に緊張する。
    • 伸展は外側側副靭帯・内側側副靭帯を緊張させる。
    • 後十字靭帯も膝関節の伸展時に緊張する。
    • 研究によっては前十字靭帯が最も緊張するとも。
  • 大腿骨内側顆の後方を走行する鵞足筋(薄筋・半腱様筋・縫工筋)や大腿二頭筋などの屈筋は膝伸展の能動的制御因子といえる。
  • また腓腹筋も足関節の背屈によって緊張する範囲では能動的制御因子となる

P116-117:膝周辺の防御機構

  • 膝関節周辺の防御要素は3つ
      • 内側側副靭帯:破綻応力115㎏/㎠ 破綻変形12.5%
      • 外側側腹靭帯:破綻応力276kg/㎠ 破綻変形19%
      • 後方の関節包ー繊維層
        • 内側顆殻/外側顆殻/斜膝窩靭帯/弓状膝窩靭帯から成る
      • 外側は内側に比べて抵抗性・弾力性ともにある。
  • 副次的構成帯は抵抗性・重要性も様々な4つの繊維ー腱層からなる
  • 関節周囲筋
    • 膝周辺の防御に参加する
    • 大脳皮質による拘束を予測し、運動図式の中で完璧にシンクロナイズした収縮によって「他動的にしか作用できな靭帯」の補助として関節の不均等に抵抗する。
    • 最も重要なものは大腿四頭筋でこれが無くては「いかなる膝の安定性」も得る事ができない。
    • 大腿四頭筋の強度と正確な協調性によって靭帯の不全をある程度補う事が可能。
    • 廃用性萎縮が早く、回復が困難でもある。
      • ※恐らく大殿筋も同様
      • 運動の主要筋ゆえに廃用性の対象に真っ先に上がる

投稿者プロフィール

Toshio Nakamura
Toshio Nakamura志塾歴は5年目
大阪府吹田市で「トシオとイクミの俊カイロプラクティック院」をしています。男塾の大豪院邪鬼と同じく「卒業せずに居座る塾生」です