カパンジー機能解剖学Ⅱ【第1章】:股関節編 後編

P40-41:股関節の安定に関わる筋性および骨性因子

  • 筋肉は水平方向という前提条件がいるが、股関節の安定に寄与する
    • 股関節の安定筋
    • 股関節周辺筋全て
    • 特に殿筋群や梨状筋などの外旋6筋
    • 内転筋等は脱臼方向への力

P42-43:股関節の屈筋群

  • 前額面の前方に位置する筋肉群

腸腰筋

  • 最も強力な屈筋
    • 外旋筋でもある
    • 内転作用は無いと考えよう

縫工筋

    • 股関節屈筋
    • 外旋筋/外転筋
    • 力:2㎏ ※90%は屈筋で吸収される

 大腿直筋

        • 股関節屈筋
        • 力:5㎏ (強力)
        • 膝が屈曲する程に股関節に強力に働きかける
        • 歩行時の遊脚側の膝伸展+股関節の屈曲で働く

大腿筋膜張筋

  • 股関節の安定筋
  • 股関節の屈曲筋
  • 股関節の外転筋(強力)

股関節の補助的屈曲筋

  • 恥骨筋
  • 薄筋
  • 長内転筋
  • 小殿筋/中殿筋の前方繊維

屈筋のグループ分け

グループA:屈曲ー外転ー内旋

  • 小殿筋/中殿筋の最も前方繊維
  • 大腿筋膜張筋

グループB:屈曲ー内転ー内旋

  • 腸腰筋
  • 恥骨筋
  • 長内転筋
  • 薄筋

2つのグループの拮抗関係で「真っ直ぐ膝が曲がる」動作が成立すると言える。

P44-45:股関節の伸筋群

  • 前額面後方を走る
  • 2グループに分かれる

Aグループ

  • 下肢の付け根に存在する筋群

大殿筋

  • 靭帯で最も強力な筋肉
  • 34㎏m/238㎏
  • 伸筋/外旋筋/内転筋
  • 中殿筋/小殿筋の最も後方繊維のサポートを受ける

中殿筋

小殿筋

Bグループ

  • 大腿二頭筋/半腱様筋/半膜様筋
  • 3つの筋肉全体で大殿筋の66%(22kgm/154kg)の出力
  • 股関節~膝関節を跨ぐ2関節筋
  • 膝の肢位に依存する※伸展時最強、屈曲時最弱
  • 大腿四頭筋(特に大腿直筋)との拮抗関係
  • 一定屈曲を超えた長内転筋も伸筋サポート筋となる

2次的作用について

  • 軸Y’Y上方を通過する筋は伸展+外転を惹起する
    • 大殿筋(最も高位繊維)・小殿筋・中殿筋の後方繊維による
  • 軸Y’Y下方を通過する筋は伸展+内転を惹起する
    • 大殿筋(大部分)・ハムストリングス・内転筋群による

まっすぐな伸展運動とは2つのグループの拮抗ー共同収縮作用によって成り立つものである。

その他

  • 股関節の伸筋群は前後方向における骨盤の安定化に必須である。

骨盤が後傾時

  • 伸展制限要素である腸骨大腿靭帯の緊張によってのみ安定化

骨盤の重心が股関節の関節中心の直上

  • いかなる伸筋・屈筋も介入せず不安定

骨盤が前傾

  • 骨盤重心は股関節の前方にある
  • ハムストリングスが最初に反応
  • 前傾が強い場合は大殿筋が介入する

正常歩行において

  • 伸展はハムストリングスの結果であって大殿筋は全く関与していない。
  • 上り坂、走る、跳躍では大殿筋は最重要

P46-47:股関節の外転筋群

  • 矢状面の外方に位置する

中殿筋

  • 外転の主力筋
  • 16㎏m/112kg

小殿筋

  • 中殿筋のサポート筋
  • 4.8kgm/34.3kg(中殿筋の1/3)

大腿筋膜張筋

  • 中間位において強力な外転筋
  • 7.6kgm/53.2kg(中殿筋の1/2)

大殿筋

  • 最も高位の繊維のみ
  • 力は僅か

梨状筋

  • 詳細は不明

外転筋群の2グループ

Aグループ

  • 関節中心を通る前額面の前方に位置する
  • 大腿筋膜張筋
  • 中殿筋(前方繊維)
  • 小殿筋(前方繊維)
  • 外転ー屈曲ー内旋

Bグループ

  • 関節中心を通る前額面の後方に位置する
  • 中殿筋(後方繊維)
  • 小殿筋(後方繊維)
  • 大殿筋(外転繊維束)
  • 外転ー伸展ー外旋

まっすぐな外転運動とはこの2グループの拮抗ー共同収縮のバランスで成り立つ

P48-49:外転(続き)

  • 超大事
  • 殿三角筋
  • 大腿筋膜張筋/大殿筋/腸脛靭帯
  • 中殿筋は外転35°までエース
  • 【小ネタ】筋の収縮長は収縮繊維の長さの半分を超えない

P50-51:骨盤の横方向(側方)の均衡

両足で真っ直ぐ立っている時

  • 内転筋と外転筋の同時収縮

休めの姿勢

  • もたれかかる方の内転筋が緊張

片足立ち

  • 外転筋のみの支え
  • 骨盤は荷重股関節の周りで回転する傾向へ
  • 図1-141をトイレに貼ろう
  • 中殿筋・小殿筋が必死
    • 大腿筋膜張筋の応援も加わる
    • 大腿筋膜張筋は膝関節を安定させるが固定も起こす

歩行について

  • 中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋は歩行に不可欠
  • 中殿筋・小殿筋麻痺は片足立ちが維持できない
    • 身体を倒しこんで支える様に

P52-53:股関節の内転筋群

  • 股関節中心を通る矢状面の内方に位置する
  • 前後軸Y’Yの下方内側を走る
  • 非常に数が多く強力

大内転筋

  • 最も強力な内転筋
  • 力:13kgm/91kg
  • 最も内側で坐骨ー恥骨枝から起始
  • 大腿骨で最も高位に停止
  • 最も外側で起始、最も下位で停止

薄筋

ハムストリングス(半膜様筋/半腱様筋/大腿二頭筋)

  • バカにできない内転作用

大殿筋

  • 殆ど全てが内転筋

大腿方形筋

  • 内転筋/外旋筋

恥骨筋

  • 内転筋/外旋筋

双子筋

  • 内転筋/外旋筋

閉鎖筋

  • 双子筋を補助

P54-55:股関節の内転筋群(続き)

  • 内転筋の前面像
  • 主要な内転作用
    • 副:屈曲ー伸展作用もある ※角度によって変化
    • 副:軸回旋もある

長内転筋

  • 力:6.5kgm/45.5kg(大内転筋の1/2)

短内転筋

薄筋

伸筋群

  • 付着部位が股関節中心を含む前額面の後方、坐骨ー恥骨枝にある場合
  • 大内転筋の下方繊維
  • 第3内転筋
  • ハムストリングス

屈筋群

  • 近位付着部が前額面の前方にある
  • 恥骨筋
  • 長/短内転筋
  • 大内転筋※上方繊維
  • 薄筋

P56-57:股関節の外旋筋群

  • 数が多く強力
  • 股関節の垂直軸の後方を横切る
    • 関節中心を通る前額面の後方とは書かない?
  • 骨盤ー転子部筋はとても重要

梨状筋

  • 仙骨前面に起始/大転子上縁に停止
  • 起始停止反対のイラスト

内閉鎖筋

  • 梨状筋とほぼ並走
  • 双子筋と共通腱を持ち、作用も同じ。

外閉鎖筋

  • 大転子内面に停止
  • 股関節屈曲位における外旋筋

内転筋

  • 一部は外旋筋

恥骨筋

  • 内転筋/屈筋/外旋筋

大内転筋

  • 後方繊維は外旋筋
  • ハムストリングスも同様に外旋筋

殿筋群

大殿筋
  • 表層~深層全てが「外旋筋」の機能を持つ
小殿筋
  • 外旋筋(僅か)
中殿筋
  • 後方繊維が外旋筋の役割を持つ

P58-59:股関節の回旋筋群

  • 内旋筋群は外旋筋群に比べて数が少なく弱い
  • 力:1/3(54kgm:378㎏)
    • 外旋筋は146kgm:1,022kg?

内旋筋群

中殿筋

  • 前方繊維のみ

小殿筋

  • ほぼ全てが内旋筋

大腿筋膜張筋

  • 上前腸骨棘へ向かっている:だから何やねん

その他

30°~40°の中等度の内旋
  • 恥骨筋/外閉鎖筋は外旋筋ではなくなる
  • 小殿筋/中殿筋はなお内旋筋
完全内旋位
  • 恥骨筋/外閉鎖筋は内旋筋となる
    • 股関節の垂直軸の前方を通過する為
  • 大腿筋膜張筋/小殿筋/中殿筋は外旋筋となる
  • ※大前提として内旋が極限まで強制された時の話
    • 筋作用の逆転の一例である

P60-61:筋作用の逆転

  • 角度・肢位によって作用が変わる事がある

内転筋の例

  • 0°中間位の時点では大内転筋の後方繊維束を除いた内転筋は全てが屈筋。
    • 大内転筋の後方繊維束は伸展20度までは伸筋となる。
    • 長内転筋は屈曲50°までは屈筋。+70°からは伸筋となる
    • 短内転筋は+50°までは屈筋、それ以降は伸筋となる。
    • 薄筋は+40°が屈筋としては限界

その他

  • 屈筋群はその限界まで屈筋として働ける
  • 大腿筋膜張筋は+120°でその行程を終える。
  • 腸腰筋も+120°で限界角度か?
  • 大腿方形筋はどうか?
    • 伸展位では屈筋となる
    • 屈曲位では伸筋となる
  • 予め股関節を120°屈曲させるた場合
    • 大殿筋は他動的に伸ばされる。繊維によっては100%のレベル
  • 膝伸展の条件下、股関節の中間位ではハムストリングスは50%の牽引が掛かる。
  • 陸上選手のスタート姿勢
    • 股関節の最大屈曲位に引き続く膝の伸展は緊張状態に置かれた股関節伸筋群がスタート時に力強い弾みを得るのに適している
    • 膝伸展位の時、股関節の屈曲を制限しているのはハムストリングスの緊張である
  • ハムストリングスは伸展20°までは長さに変化が無い
    • ※停止部をしっかりしてくれ
    • ハムストリングスは股関節の半屈曲位で発揮される
    • 膝の状況は?

P62-63:筋作用の逆転(続き)

内転筋の前面像

  • 長内転筋:大内転筋の1/2の力(6.5kgm:45.5kg)
  • 短内転筋
  • 薄筋
  • 内転筋は内転作用の他に「屈曲ー伸展」+軸回旋の作用を持つ

屈曲ー伸展の役割

  • 付着部によって変化
  • 付着部が関節中心を含む前額面の後方かつ坐骨ー恥骨枝にあれば伸筋
    • 大内転筋(下方繊維)/第3内転筋/ハムストリングスが該当する
  • 付着部が関節中心を含む前額面の前方にあれば「同時に」屈筋ともなる
    • 恥骨筋/長内転筋/短内転筋/大内転筋の上方繊維/薄筋が該当する
  • 股関節のスタート肢位によって変化するから注意

P64-65:外転筋群の連続的運動の仕掛け

  • 片脚立脚時は股関節の角度に応じて安定用の外転筋は変化する

股関節の完全伸展位置

  • 腰上を後傾される動き(背中を反る)
  • 重心線は大腿骨頭の後方にある
  • 骨盤の後方傾斜を制限する要素は
    • 腸骨大腿靭帯の緊張
    • 大腿筋膜張筋の緊張※股関節屈曲筋
      • 大腿筋膜張筋は後傾+側方傾斜も矯正している
      • 大腿筋膜張筋は臀三角筋の共同筋である大殿筋の表層繊維と「外転筋として」共同作用をする

骨盤の僅かな後方傾斜の場合

  • 重心線はなお骨頭中心の後方に位置する
  • 小殿筋が制限作用に介入する
    • 小殿筋は外転+屈筋である

骨盤が前後面において平衡の場合

  • 重心は骨頭中心に位置している
  • 骨盤の側方安定性は中殿筋が保っている

骨盤が前傾を始めた場合

  • 大殿筋の介入が始まる
    • 次に梨状筋が加わり
      • 更に内閉鎖筋が加わる。
  • 大殿筋は大腿筋膜張筋と共に殿筋参画を形成し、骨盤前傾時には外転筋として、屈曲調整金として拮抗ー共同作用を働かせる。

投稿者プロフィール

Toshio Nakamura
Toshio Nakamura志塾歴は5年目
大阪府吹田市で「トシオとイクミの俊カイロプラクティック院」をしています。男塾の大豪院邪鬼と同じく「卒業せずに居座る塾生」です